こんなに君がやっぱ好きやから

室龍太くんと関西ジャニーズJr.

あの日そこに君の姿はなかった

2016年1月3日。

あの日そこに君の姿はなかった。

 

 

 

 

 

ジャニーズWEST待望の2ndツアー「ラッキィィィィィィィ7」は、年明け3日が初日だった。振り返れば昨年2015年の1stコンサート「一発めぇぇぇぇぇぇぇ」は、初日の1/2を横浜アリーナで迎えたけれど、2016年の現場初めはホームである大阪城ホール。例に漏れず私も2日の夜行バスに乗り込み、“龍太くん”と書かれたお手製の団扇を抱え、意気揚々と大阪へと向かっていた。このとき、もちろんバックに彼がつくという確証なんてどこにもなかった。これは「一発めぇぇぇぇぇぇぇ」のときも同じだったけれど、当時ジャニーズWESTはファンの期待通り記念すべき1stコンサートのバックに関西Jr.を選んでくれた。まだデビュー間もない彼らがホームから離れた横浜アリーナに関西Jr.を連れてきてくれたという事実は、バック担にとっても胸が熱くなる一件だったのは間違いない。だからこそ今回もつかないという不安はほぼゼロに等しく、ツイッターでは友人たちと「現地で会おう!」と約束を交わし、当然のように“いるもの”と思っていた。ジャニーズWESTは今回も関西Jr.をバックにつけてくれるに違いない。関西Jr.がつくのなら、メイン4人がつかないはずがない。心のどこかでそう思い込んでいたし、そうであってほしいと切に願っていた。

 

 

 

ご存知のとおり、関西ジャニーズJr.はツアー直前の11/29(日)~12/25(金)まで松竹座で行われていた「X’mas Show 2015」に出演していた。千穐楽の25日からツアー初日まではたった9日。今回のクリパはフレッシュ組による通称“Aコン”とギャンスタら大人組による“Bコン”に分かれていたが、現在関西Jr.においてメインと呼ばれている4人(室龍太向井康二・西畑大吾・大西流星)のみ全公演出演となっていた。

全公演出演の疲労を考え、ツアーは外されるのだろうか・・・。

しかし、彼は昨年もクリパ全公演出演後すぐに行われた一発めぇにバックとしてつき、3月の春松竹を経て5月から始まった1stツアーパリピポのメインバックも務めている。(パリピポに至っては地方会場も全て回っている)千穐楽に解禁された映画が4月公開予定だという点が一瞬引っかかったけれど(今回のツアー千穐楽も4月)、そう気に留めることもなく私は3日に大阪入りを果たした。

 

 

 

3日は晴れ渡るような快晴。小瀧担の友人と現地で落ち合った後、1時間ほどでグッズを購入し終えた私たちは、今か今かと開場を待っていた。ヲタクというものは、大抵現場があると普段お世話になっている友人各位・フォロワーさんなどに挨拶という名目でお会いし、手紙やお菓子を交換するといった文化がある。開場までの間、私は大阪城ホールに集ったメイン担の友人たちとお土産交換をし、いるであろう担当のお手製団扇を持って記念写真を撮り、口々にこう話していた。

「いるかな?きっといるよね?」

「入りの目情で名前なかったんだけど」

「一人だけいないなんて有り得ないよ」

「だよね。もしいなかったら泣いちゃう(笑)」

私も友人も口ではこう言っていたが、心の中では“担当不在”の可能性なんて1ミリも考えていなかった。もうすぐ自担に会える嬉しさで自然と笑顔がこぼれ、溢れんばかりの気持ちを抑えるのに必死だった。

 

 

 

会場に入るとホールは既に超満員のファンで埋め尽くされていた。見渡す限りの団扇の中には、メイン4人の名前も少なからず見つけることができた。何とも言えない安心感と胸の高鳴りを抑えながら、購入したばかりのバナナペンライト、双眼鏡、そして団扇を用意し、その瞬間を待っていた。

メンステビジョンに映し出されるジャニーズWESTのメンバー。割れるような歓声。スロットに777が揃い、まるで景品のように滑り落ちてくる7人、同時に外周に繰り出すバックJr.たち。流れてくるラッキィスペシャルを片耳で聞きつつ、私は目を輝かせながら双眼鏡を構えた。

 

 

 

 

 

私は目の前に突き付けられた現実をまだ受け止められずにいた。ステージや外周を何度も何度も確認した。自分とは対角に位置する、背中を向けているJr.も一人ひとり確認した。私は防振双眼鏡ユーザーなのでバックの判別はお手のものだったが、何度確認してもあの金髪外ハネでしなやかに踊る26歳の姿はどこにもなかった。真っ白になる頭の片隅で、咄嗟に先ほど会った友人のことを思い出した。康二は?大ちゃんは?まさか4人全員いないのだろうか。震える手でもう一度双眼鏡を覗き込んだ。・・・いない。いないのか?本当に?いや、でもまだ1曲目だ。メイン4人そろっていないなんて有り得ない。そうか、メイン4人だけ登場が別なのか。だからいないのかもしれない。きっと照史くんあたりが紹介してくれて出てくるのだろう。そうに違いない。そんなことを必死に考えていたら、あっという間に2曲目のええじゃないかが始まっていた。「ええじゃないかええじゃないか~♪」と大盛り上がりで合唱する会場の中で、自分一人がまるで幽体離脱しているような感覚だった。ハッと思い出したように双眼鏡で客席を見渡すと、開演前に見つけたメイン担の団扇をいくつか確認することができた。あぁ、仲間がいた。私にとっては、絶望の淵に射した一筋の光だった。

 

 

 

 

それから何曲が過ぎただろうか。

途中の青春ウォー→オレオレカーニバル→浪速一等賞→アカンLOVE→パリピポアンセムのセトリは正直ほとんど覚えていない。青春ウォーはパリピポツアーの1曲目だったこともあり、当時龍太くんの存在を1番に確認できた曲でもあった。アカンLOVEで一際パラパラの上手い彼の踊りはJr.担の中で評判になり、本物のギャル男発揮と言われたものだ。パリピポアンセムではタオルをぶんぶん回して楽しそうに踊る姿が印象的だったし、サビのカウントの取り方が大好きだった。前回のツアーの立ち位置を眺めながらぼんやりと懐古をしているうちにMCが終わり、ついに関西ジャニーズJr.のコーナーがやってきた。

「どーもーーーーー!!!関西ジャニーズJr.でーーーす!!!!!」

バクステに当たるスポットライトを浴びて登場したのは・・・藤原丈一郎。その瞬間すべてを悟った。目頭にこみ上げるものをグッと我慢したけれど、“担当不在”という現実を認めざるを得なかった私は、おそらく涙していたのだろう。

「もしいなかったら泣いちゃう(笑)」

なんて言っていた数時間前の自分は、こんな未来を予測できただろうか。スタンドを見渡すと、メインの団扇を持っていた人たちは徐々にその団扇を下ろしていく光景が見えた。

 

 

 

 

 

2016年1月3日。あの日そこに君の姿はなかった。

だから、今年は君との大切な思い出は一つずつ形に残していこうと決めた。

春に会えるのを楽しみにしています。